萌ゆる想いを、この花に
時は、平安時代。
花形の官職、蔵人所(くろうどどころ)の先輩と後輩。
源建(みなもとのたける)と藤原光成(ふじわらのみつなり)。
そして、玲瓏たる美女、撫子(なでしこ)の君。
さやけき月影のもと、それぞれの想いが密に絡み、三人を導いていく。
――あなたへの萌ゆる想いを、この花に。
文:冴月希衣